家系図は「相続対策」としても非常に有効な資料になる
― 相続トラブルの多くは“家族関係の見える化不足”から始まる ―
家系図というと、「気持ちの整理」や「先祖を知るためのもの」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし、行政書士として相続実務に日々携わっている立場から申し上げると、家系図は感情面だけでなく、実務面においても非常に価値の高い資料です。
むしろ私は、家系図は「最もやさしく、最も確実な相続対策のひとつ」だと感じています。
なぜなら、相続手続きの出発点は、必ず「相続人が誰なのかを正確に把握すること」だからです。
相続で混乱が生じる原因の多くは、財産の多寡ではありません。
「誰が相続人なのか」「どこまでが親族なのか」が曖昧なまま手続きが進んでしまうことにあります。
この曖昧さを一目で解消できるのが、家系図なのです。
相続手続きは「家族関係の把握」からすべてが始まる
相続手続きというと、不動産や預貯金の名義変更を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、その前に必ず行わなければならないのが「相続人の確定」です。
相続人の確定には、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を取得し、
・配偶者の有無
・子どもの有無
・養子や認知の有無
・兄弟姉妹が相続人になるケース
などを一つずつ確認していきます。
この作業は専門家でも慎重を要するもので、一般の方が正確に行うのは決して簡単ではありません。
実際にご相談を受ける中でも、
「うちは子どもしかいないと思っていました」
「兄弟はいないはずです」
とおっしゃっていた方のケースで、戸籍を調べると想定外の相続人が見つかることは珍しくありません。
家系図は、この複雑な戸籍関係を一目で整理し、「誰が相続人なのか」を視覚的に示してくれる非常に有効な資料なのです。
家系図があるだけで相続手続きが驚くほどスムーズになる理由
相続人関係が一目で分かる安心感
家系図があると、相続人関係がひと目で理解できます。
文章や戸籍謄本だけでは分かりにくい親族関係も、図にすることで直感的に把握できます。
相続の場面では、感情が入りやすく、冷静な判断が難しくなりがちです。
そんなとき、家系図という「客観的な資料」があるだけで、話し合いが非常に落ち着いたものになります。
専門家との打ち合わせが圧倒的に効率化する
行政書士や司法書士、税理士と相続の相談をする際、
「誰が誰とどういう関係なのか」を説明するだけで時間がかかることがあります。
家系図があれば、
「この図をご覧ください」
の一言で説明が終わります。
その結果、本来相談すべき
・遺産分割の方向性
・相続税対策
・手続きの優先順位
といった本質的な話に時間を使うことができるのです。
相続トラブルの多くは「思い込み」から生まれている
相続トラブルというと「財産が多い家の話」と思われがちですが、実際には財産額よりも「人間関係の誤解」が原因になるケースが圧倒的に多いです。
例えば、
・前妻との間に子どもがいることを知らなかった
・養子縁組があったことを知らなかった
・実は兄弟がいた
といった事実が相続の場面で初めて判明することもあります。
こうした事実は、隠されていたわけではなく、単に「整理されていなかった」だけなのです。
家系図を作ることで、これらの情報が事前に整理され、相続時の混乱を大きく減らすことができます。
行政書士として現場で感じる、家系図の実務的な価値
私が家系図作成に力を入れている理由は、単に美しい資料が作れるからではありません。
「相続の混乱を事前に防げる可能性が高い」と実感しているからです。
実際に、家系図を作成してから相続対策を始められた方は、
・相続人関係が明確
・家族間の認識が統一されている
・話し合いが冷静に進む
という特徴があります。
一方で、家系図がないまま相続が始まると、
「そんな話は聞いていない」
「なぜこの人が相続人なのか分からない」
という不信感から話し合いが難航しやすくなります。
家系図は「争いを防ぐための予防資料」でもある
家系図は、相続争いを起こさないための“予防接種”のような存在です。
争いが起きてから対処するのではなく、起きないように整えておく。
これこそが、本来あるべき相続対策の姿だと私は考えています。
財産をどう分けるかよりも前に、
「家族関係をどう整理しておくか」。
その第一歩が、家系図なのです。
家系図は、
・相続人を明確にする
・家族の認識を統一する
・手続きを円滑にする
という三つの役割を同時に果たしてくれる、極めて実用的な資料です。
そして何より、
「残される家族が困らないようにしておきたい」
という、作る人の想いそのものが、最大の相続対策なのだと、私は現場で何度も実感しています。
家系図について、ご興味やご不明点がございましたら、まずはお気軽にわたくしまでご相談くださいませ。
気がかりなことやご希望など、お話をじっくりお聞かせいただき、できる方法を一緒に考えていければと思います。
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