【大阪で所有者不明不動産を放置しないために|行政書士が行う相続土地国庫帰属制度活用と事前整理の完全ガイド】第1章-大阪で急増する「所有者不明不動産」とは何か 

「親名義のままの土地がある」「山林や遠方の土地を相続したが使い道がない」「相続人が多くて話し合いが進まない」
こうしたご相談は、大阪でも年々増えています。
特に近年は、相続土地国庫帰属制度が始まったことで「国に返す」という選択肢が現実的になりました。
しかし、実際には
「誰が相続人か分からない」
「書類が多くて何から手を付ければいいか分からない」
という壁で止まってしまう方がほとんどです。
この記事では、大阪の行政書士が実務で対応している“国庫帰属制度の前段階”を、できるだけ分かりやすく解説します。


大阪で急増する「所有者不明不動産」とは何か

なぜ今、放置された土地・建物が大きな社会問題になっているのか

「所有者不明不動産」とはどんな不動産のことか

「所有者不明不動産」とは、登記簿を見ても現在の所有者が誰なのかすぐに分からない土地や建物のことを指します。
正確には、
・所有者が亡くなっている
・相続登記がされていない
・相続人が多数いて連絡が取れない
・住所変更登記もされていない
といった理由により、「名義上の所有者」と「実際に管理すべき人」が一致していない不動産です。

特に大阪では、
・戦前・戦後から名義が変わっていない土地
・親や祖父母の代で購入したままの宅地
・郊外や山間部にある使われていない土地
が多く、この問題は決して他人事ではありません。

私は行政書士として相続や不動産の相談を受ける中で、
「自分が相続人だと知らなかった」
「親が亡くなって何十年も経つのに名義がそのままだった」
というケースを本当に数多く見てきました。
所有者不明不動産は、特別な人だけの問題ではなく、どのご家庭にも起こり得る身近な問題なのです。

なぜ大阪で所有者不明不動産が増えているのか

相続登記が長年「義務ではなかった」

最大の理由は、相続登記が2024年まで義務化されていなかったことです。
これまで日本では、相続が起きても
「名義変更は後回しでいい」
「使う予定がないからそのままでいい」
と考える方が少なくありませんでした。

その結果、
親 → 子 → 孫
と世代が変わるごとに相続人が増え、誰が管理すべきか分からない状態になってしまったのです。

高度経済成長期に取得した不動産の「その後」が整理されていない

大阪は高度経済成長期に宅地開発が進み、多くの方が土地や建物を取得しました。
当時は
「土地は持っていれば価値が上がる」
という時代でしたが、現在は人口減少・空き家問題により状況は大きく変わっています。

相続した土地が
・売れない
・使い道がない
・遠方にある
という理由で放置されてしまい、所有者不明不動産化していくのです。

家族関係の変化も影響している

現代は
・兄弟姉妹が疎遠
・相続人が全国に散らばっている
・連絡先が分からない
といったケースが非常に多くなっています。

相続人が多いほど話し合いは難しくなり、結果として「何も決められないまま時間だけが経過する」ことになります。
これが所有者不明不動産を増やす大きな要因です。

所有者不明不動産を放置するとどうなるのか

固定資産税の請求は続く

名義が変わっていなくても、固定資産税の納税義務は相続人全員に発生します。
「使っていない土地なのに税金だけ払い続けている」
というご相談も非常に多いです。

管理責任や近隣トラブルのリスク

土地や建物の管理責任は相続人にあります。
雑草が伸び放題になれば近隣から苦情が来ますし、
老朽化した建物が倒壊すれば損害賠償の問題にもなります。

売ることも、手放すこともできない

名義が整理されていない不動産は、
・売却できない
・担保にできない
・国庫帰属制度も使えない
という「何もできない資産」になってしまいます。

私はこの状態を「動かせない不動産」と呼んでいます。
本来は資産であるはずの不動産が、相続人にとっては大きな負担になってしまうのです。

行政書士として強く感じていること

正直に申し上げると、
多くの方は「問題が深刻化するまで」相談に来られません。

・相続人が10人以上になってから
・連絡の取れない人が出てから
・税金の督促が来てから

こうなってしまうと、解決までに時間も費用もかかります。

一方で、早めに相談いただいた方は、
・選択肢が多く
・解決もスムーズ
であるケースがほとんどです。

所有者不明不動産は、
「突然発生する問題」ではありません。
「少しずつ積み重なっていく問題」です。

だからこそ、
気づいた時点で整理を始めることが何より大切なのです。

この問題は「誰かが悪い」のではない

最後にお伝えしたいのは、
所有者不明不動産は「怠慢」や「無責任」から生まれるものではないということです。

・仕事が忙しかった
・家族関係が複雑だった
・手続きが難しそうで後回しにしてしまった

誰にでも起こり得る事情の積み重ねです。

だからこそ私は、
責めるのではなく、
「一緒に整理していく存在」でありたいと考えています。

この第1章では、
「所有者不明不動産は他人事ではない」
「そして、今からでも遅くない」
ということをまず知っていただければ十分です。

次の章では、
その解決策の一つとして注目されている
相続土地国庫帰属制度について、
できるだけやさしく解説していきます。


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