「親名義のままの土地がある」「山林や遠方の土地を相続したが使い道がない」「相続人が多くて話し合いが進まない」
こうしたご相談は、大阪でも年々増えています。
特に近年は、相続土地国庫帰属制度が始まったことで「国に返す」という選択肢が現実的になりました。
しかし、実際には
「誰が相続人か分からない」
「書類が多くて何から手を付ければいいか分からない」
という壁で止まってしまう方がほとんどです。
この記事では、大阪の行政書士が実務で対応している“国庫帰属制度の前段階”を、できるだけ分かりやすく解説します。
国庫帰属の前に必ず必要になる「相続関係の整理」とは
制度を使えるかどうかは、相続人の確定でほぼ決まる
相続土地国庫帰属制度よりも先にやるべきことがある
相続土地国庫帰属制度の話をすると、多くの方がまず
「どうやって申請するのですか?」
「手続きは難しいですか?」
と聞かれます。
しかし、行政書士として一番最初にお伝えするのは、
「申請の前に、必ずやらなければならないことがあります」
という点です。
それが、相続関係の整理です。
相続関係の整理とは、簡単に言えば、
「誰が相続人なのかを法律上、正確に確定させること」
「その全員が、その土地についてどうするのかを話し合える状態にすること」
です。
これができていなければ、
国庫帰属制度のスタートラインにも立てませんし、
売却や名義変更など、どんな手続きも進めることができません。
私はこの部分こそが、行政書士の最も重要な役割だと考えています。
相続人が確定していないと、何も決められない
戸籍をさかのぼらないと本当の相続人は分からない
相続人は、戸籍によって法律上決まります。
ご本人が
「たぶんこの人たちだろう」
と思っていても、実際に戸籍を調べてみると、
- 認知された子がいた
- 養子縁組があった
- 前の結婚での子がいた
- すでに亡くなった相続人の子が相続権を引き継いでいる
といったことが判明するケースは珍しくありません。
私はこれまで多くの相続案件を扱ってきましたが、
「最初の想定通りだった」というケースの方が少ないくらいです。
戸籍は、
被相続人の出生から死亡まで
すべてをさかのぼって集めなければなりません。
これを自力でやろうとして、途中で挫折される方も多くいらっしゃいます。
相続人が1人でも欠けると手続きは止まる
相続手続きは、原則として相続人全員の関与が必要です。
1人でも相続人が欠けていれば、
- 遺産分割協議は無効
- 国庫帰属の申請も不可
- 不動産の処分も不可
となります。
「連絡が取れない人が1人いるだけで、すべてが止まる」
これが相続の現実です。
相続関係の整理とは「人の整理」と「関係の整理」
相続人調査は単なる書類作業ではない
相続人調査というと、
「戸籍を集めるだけ」と思われがちですが、
実際にはもっと繊細で、人の気持ちが関わる作業です。
- 何年も連絡を取っていない親族に連絡する
- 相続の話を切り出しにくい
- お金の話になるのが不安
こうした心理的なハードルが、手続きを止めてしまう原因になります。
私はこの場面で、
「法律の専門家であると同時に、調整役でもある存在」
でありたいと思っています。
相続関係説明図が“見える化”のカギになる
相続関係説明図とは、
被相続人を中心に、相続人の関係を図にしたものです。
これを作ることで、
- 誰が相続人なのか
- 何人いるのか
- どこで話が止まりやすいか
が一目で分かります。
高齢の方にも
「地図を見るように相続を理解できる」
と好評です。
私はよく
「相続関係説明図は、相続の設計図です」
とお話ししています。
相続関係の整理が不十分なまま進めるリスク
制度を使えず、時間と費用が無駄になる
相続関係が整理されていない状態で
国庫帰属制度の話だけ進めてしまうと、
- 書類が足りず申請できない
- 相続人の同意が取れず止まる
- 再調査が必要になる
といった事態が起こります。
結果として
「時間もお金も無駄になった」
という声を、私は何度も聞いてきました。
家族関係がこじれてしまうこともある
準備不足のまま話を進めると、
「聞いていない」
「勝手に決めた」
という誤解が生じやすくなります。
相続は、法律の問題であると同時に、
人間関係の問題でもあります。
だからこそ、最初にきちんと整理することが大切なのです。
行政書士が相続関係整理で果たす役割
行政書士は、
- 戸籍収集
- 相続人調査
- 相続関係説明図作成
- 必要書類の整理
- 全体像の見える化
を専門とする国家資格者です。
私は、
「行政書士は相続問題の交通整理役」
だと考えています。
複雑に絡み合った状況を、
一つひとつ丁寧にほどき、
「何をすればいいのかが分かる状態」に整えるのが役目です。
専門家として、そして一人の人間として感じていること
相続関係の整理は、
単なる事務作業ではありません。
- ご家族の歴史をたどり
- 人の人生をたどり
- 想いを整理していく作業
でもあります。
だからこそ私は、
スピードだけでなく、
「丁寧さ」と「誠実さ」を何より大切にしています。
まずは「相続関係がどうなっているか」を一緒に確認することから
相続土地国庫帰属制度を使うかどうかに関わらず、
相続関係の整理は必ず必要になります。
「何から手をつけていいか分からない」
「自分でやろうとして諦めてしまった」
そう感じたときこそ、
行政書士に相談するタイミングです。
大阪で所有者不明不動産や相続土地の問題に悩まれている方は、
まずは
「相続関係がどうなっているのかを一緒に整理する」
ところから始めてみませんか。
それが、
すべての解決への第一歩になります。
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